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Kenji Hashimoto Orthopedic Shoe Maker ビスポークシューズ① 【訪問〜注文】

今回は人生初のビスポークシューズにチャレンジしたので、紹介させてください。

 

神戸に工房を構えるKenji Hashimoto Orthopedic Shoe Makerさんでお願いしてきました。

 

 

Kenji Hashimoto Orthopedic Shoe Maker

靴職人である橋本健児さんが営む、ビスポークシューズ(注文靴)の工房です。(以下KHと表記します。)

 

神戸に工房を構えていらっしゃいます。HPはこちら。

元々は整形靴、主に肢体障害などをお持ちの方が使う義肢装具を製作される会社に勤めていらっしゃったようです。

 

その経験から

 

「生まれ育った関西を拠点に自分のような足、靴に悩んでいる人々に対して、履いていて心地が よく、外観も美しく、長く愛用出来る靴を提供したい。」

 

と独立され、神戸に工房を立ち上げられたようです。

 

 

KHを知るきっかけ

私が初めて橋本さんを知ったのはTwitterだったと思います。

靴関係の話題からお見かけして、フォローをしていました。

 

元々私は先天性の肢体障害があり、装具を着用して生活をしていたことがあります。

装具は性質上、本当に機能全振りで見た目は二の次という感じなのですが、その技術がある方がこんな綺麗な革靴を作るのか!と衝撃を受けたことを覚えています。

もちろん注文靴なので値段は高いわけですが、いつかオーダーをしてみたい、と虎視眈々とその機会を狙っていました。

 

 

オーダーチャンス到来

そしてついにその時がやってきました。

 

大阪福島の靴磨き職人、松田さんのお店であるSHOES Lab.TORCHさんで靴フェスが行われる情報を偶然目にし、なんとそこに橋本さんがお越しになり、説明会を開催するとのこと。

 

これは行かねばと、なんとかスケジュールを調整し説明会に参加しました。

 

これはやっぱり参加してよかった。

 

直接お話しする機会ってなかなか無いですし、職人さんのお顔がわかるのは貴重でした。

物は良い物でも職人さんと合わない、ということもありますし。

 

実際の橋本さんは、穏やかで少し寡黙な印象でしたが、ご自身の中に確かな理論がありそうな雰囲気がありました。

妻とも相談する必要もあったので、ひとまず工房にお伺いするお話だけさせていただき、その場は解散となりました。

 

 

工房に初訪問

説明会から約1ヶ月後、実際に工房にお伺いしました。

少し路地を入ったところに工房はありました。

 

 

工房には作成中の靴や木型がたくさんあり、圧巻です。

それぞれ別の木型で、まだまだいっぱいあるとのこと。足の形って人それぞれなんだなあと感慨深くなります。

 

 

その後詳しく靴の製法や価格のお話があり、採寸。

 

まず、木型については2種類の製作方法があり、

 

①既存の木型パターンに修正を加えて足に合わせる方法

②石膏(ギプスですね)を足に巻きつけ、そこから型を取る方法。

 

とのこと。

 

私の足は特殊な事例のため、右足は①で、左足は②というハイブリッドなやり方でお願いしました。

珍しいオーダーだそうです。

 

 

採寸

インクプリントのようなものに乗り、足の裏の形を見たり、橋本さんが実際に私の足を触りながら手の感覚で色々と資料に書き込んでいかれたり、石膏を足にぐるぐる巻きにして、しばらくじっとしていたり…

(これが不随意運動をしてしまう左足には苦行だったり。)

 

こちらが石膏型を取ったところ。長靴みたい。

 

仕様決定

これから仮靴合わせがあるので、まだまだ仮決定ですが、革の素材や底付けなどを決めていきます。

 

国産の革だとアップチャージなし、海外製などは物によりアップチャージです。

今回は、まずは一足ということで国産の革を選択しました。

 

続いてつま先(トゥ)の飾り、ブローグやレース穴の数などを決めました。

ストレートチップ、パンチドキャッブトゥはアップなしとのことで、パンチドキャッブトゥに。

レース穴はより足へのフィッティングをよくするため6アイレットに。などなど

 

最終的には以下の仕様になりました。

・国産の革(ブラウン)

・内羽根

・6アイレット

・パンチドキャッブトゥ

・セメンテッド製法

 

底付けはグッドイヤーじゃないの?と思われた方もいらっしゃると思います。

 

私も初めはせっかくなのでグッドイヤーを、と思っていました。

ただ、橋本さんとのお話の中で、

 

・セメンテッド製法でも接着剤は十分強いこと

・私の場合は歩きやすさを取る方がよいのでは、というところ

・セメンテッドでもオールソールのように底の修理は可能(条件あり)

・また、EVAミッドソールというスポンジにより歩きやすくできる

 

というご説明をいただき納得のうえセメンテッド製法にしました。

どうしても安価で粗悪なイメージがありますが、そうでは無いみたいです。

 

仕様決定をして、半金をお支払いし製作スタートになります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、Kenji Hashimoto Orthopedic Shoe Maker さんでの、ビスポークシューズオーダーをご紹介しました。

 

②では仮靴編としてご紹介できればと思っています。

 

ありがとうございました。