今回は、スーツの機能性について書いていきます。
はるやまや青山、スーツセレクトなどスーツの広告やCMを見ていると、「洗える」とか「ストレッチが効いている」といった機能性を押し出している印象があります。
ですが、その機能が本当に必要なのか、スーツが好きな私の目線から考えていきたいと思います。
洗えるスーツについて
スーツ、洗いますか?
仕事から帰ってきて、服を脱いでいったとき
シャツや靴下、肌着などはもちろん洗濯機にポイポイ〜っと放り込んでしまうと思います。
スーツ、どうですか?
よし!ネットに入れて洗おう!となりますか?
だいたいの人は面倒だなぁ、と結局クリーニングに出しませんか?
これは私の昔の姿なので、そんなことない!というマメな方がいらっしゃったらすみません。
スーツはあまりクリーニングに出さなくて良いもの
そもそも、スーツはあまりクリーニングに出さなくても良いものだ、と私は考えています。
これは安価なポリエステル素材のスーツではなく、ウールが100%のものを基準としています。
スーツを洗う、クリーニングに出すと、少なからず生地は痛んでいきます。
ですが、よくよく考えると、スーツは肌に直接触れる面積が少ない=汚れにくい
ものです。
また、ウール素材は元々汚れにくい素材で、抗菌性、消臭性を備えているもの。
そのため、ウール素材のものであれば、食べこぼしたなどよっぽど汚れがつかない限りは洗う必要がない、と思っています。
ただ、できればブラッシングであったり、スチームでのお手入れ(アイロンのスチーム機能も可)などをする方が良いというのは事実です。
面倒なら、シーズン毎にクリーニングに出しても良いと思います。
ストレッチスーツについて
本来のスーツはゆとりがあるもの
ストレッチが効いているので動きやすいですよ、とスーツ売り場で言われたことはありませんか?
肩が凝にくそうでなんか良さそうだな、と思って買ったことのある方もいらっしゃると思います。
ですが、そもそも適切なサイズのスーツは程よくゆとりがあるもの。
きちんとしたサイズのスーツであれば窮屈に感じることはないです。
スーツを着た時に、動きにくいな、生地が引っかかるなと感じるようであれば、それはスーツのサイズを見直した方が良いと思います。
ストレッチ性が求められる場面とは?
そもそも、スーツでストレッチ性が求められる場面ってあるのでしょうか。
例えば、絶対にジャケット着用のシーンだけれど、実際の仕事内容は機材の運搬だとか、スポーツのように体を動かすとか、そういう時には動きやすい「スーツのような見た目をしたもの」が活躍しそうですが、普通に仕事をしている場面ではあまり考えられません。
スーツを着用する場面と、体を動かす必要がある場面はあまりイメージがマッチしないのではないかな、と感じます。
スーツのストレッチ性は、タイトなフィッティングを誤魔化すためのもの
本来のスーツのサイズ感や着用シーンを考えた時に、ストレッチ性はあまり必要ないはずですが、なぜここまで広告されることが多いのでしょうか。
それは、既製品のスーツがタイトなフィッティングのものが多いことが要因のひとつだと思っています。
既製品はなるべく多くの人に着てもらえるよう、ゆったりとしたサイズ感のものが多いです。ユニクロなどのファストファッションを見れば、想像していただきやすいと思います。
ですが、そのようなゆったりしたサイズのスーツはなんだかおじさんくさくて、古い感じがしてウケが悪い。
なので、なるべくスリムに見えるよう、細く細く作られていることがあります。
そうすると、おのずと窮屈な着心地になりますよね。
その窮屈さを解消するために、生地に伸縮性、ストレッチ性を持たせることで、すっきりとした見た目ながら着心地はそれなりなスーツが出来上がります。
なぜ機能性スーツが世の中に溢れているのか、売れるのか
ウール素材で、適切なサイズのスーツであれば機能性は必要ない、ということを書いてきましたが、「そんなこと言ったって、みんな着てるし売れてるじゃないか」と思う方もいらっしゃると思います。
その理由は以下のことが要因だと思っています。
化学繊維がメインの素材になることが多く、比較的安価に手に入る
そのため、若手の方や、服に興味のない方が手に取ることが多く、そのサイジングに慣れてしまう。
そうすると、適切なサイズ感というのがわからなくなり、ゆとりのあるスーツを着た時に、違和感が強くなってしまう。
スーツのスタートが安価なスーツになってしまうので、それが当たり前だと思うことは当然で仕方のないものだと思います。
せっかく着るなら良いものを着て欲しい
それでも私個人としては、この流れはあまり良くないよな、と思っています。
私自身そういった安価なスーツを経て、今がありますが、いざ、良いスーツを作りたいと思った時に、正解が分からなくなってしまいました。
そのため、理想のスーツに辿り着くまでに色々と遠回りをしているな、と感じます。いまだにここだ!というところには出会っていません。
また、スーツは仕事をしていると、私服よりも着る機会の多いことも普通にあると思います。
そんなスーツを適当に選んで、嫌な気分をしながら仕事をするのって楽しくないじゃないですか。
せっかく自分と一緒に戦ってくれる戦友のような存在であれば、背中を任せられるような、そんなスーツを選んで欲しいな、と感じています。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、機能性スーツについて私の考えを書きました。
カジュアル化が進み、どんどんスーツが日常から消えていってもおかしくない状況ですが、だからこそ、気分の上がるものを選んでいただきたい
そんな気持ちです。
是非一緒にお気に入りのスーツで楽しく仕事してみませんか?
以上です。ありがとうございました。