今回は、私の身体に関する話も交えながら、靴の選び方について書いていきます。
タイトルには少しインパクトがあるかと思いますが、健常の方にも参考になるような内容にしたいと思います。
意外と扁平足、外反母趾、魚の目など、悩みのある方は多いと思いますので。
脳性麻痺とは?
受精から生後4週間までの間に、脳に何らかの損傷が生じたために起こる運動、姿勢の異常のことだそうです。先天性の運動障害の方、肢体不自由の方の約7割だそうです。
私の場合
私は比較的障害自体は軽い方だと個人的には思っています。
具体的には
・特に左手、左足が自分の意識とは別にグッと力が入ってしまう
・筋肉や関節が硬く、歩行時に足を引きずるような歩き方、腰が引けるような歩き方になる
・手足の指が自由に動かしづらい
などです。
悩んでいること
・.足に合う靴がない
身体に負担のかかる歩き方なので、どうしても足が変形してしまっています。
また、歩行時にほぼかかとがつかないので、靴底の減りもつま先だけが減っていく、というように
なかなか足にフィットする靴がなく、お洒落を取るか、快適さを取るかという感じです。
・専用の靴はおしゃれなものが少ない
下肢障害用の靴はありますが、やはりどうしても機能重視。格好良いと思える靴は少ないです。
・革靴は硬く、重いものが多い
革靴はスニーカーに比べて重量があります。
加えて、高級靴となると仕立ては丈夫な一方で、硬さはどうしても出てきます。
そうなると、クラシックスタイルに似合う革靴は履いていると疲れるものがどうしても多いです。
最近の革靴に思うこと
それでもやはり世界的にカジュアル化が進み、質実剛健なスタイルが不要になりつつあるのも影響して、格好良くて、軽い、スニーカーのような革靴や、ドレススニーカーといった革靴寄りのスニーカーをよく目にするようになりました。
また、日本のメーカーさんでもLIGHTBULB(ライトバルブ)さんのように義肢装具士さんの知識を活かした、足に良い革靴を生み出しているところがあります。
https://lightbulb-domestic.stores.jp
また、私が先日オーダーしたKenji Hashimoto Orthopedic Shoe Maker さんもそのような現場での知識を活かしたビスポークシューズを手がけられています。
この流れは個人的にはすごく嬉しく思っていて、やはり障害の有無に関わらず、「歩く」ということの重要性が広く知られてきたこと
また革靴って格好良いけど痛くて、という方のニーズに応える取り組みが少しずつ広がってきていること
そういったことを感じられて、ありがたいなあ、という気持ちになります。
私の靴の選び方・ポイント
少し話は逸れてしまいましたが、私の靴の選び方は次の点を基準にしています。
・格好良いこと
まず第一に格好良さ。これはどれだけ歩きやすくても、格好いい、と自分が思えなければ履きたいという気持ちも半減してしまうためです。
・脱ぎ履きの楽さ
やはり着脱というのも一つの基準。
最近はハンズフリーの靴がかなり世に出てきていて、まだ履いたことはありませんが、NIKEのエアフォースのハンズフリー版なんて、素敵だなと感じます。
見た目は全くわかりません。
NIKEはゴーフライイーズなど、ハンズフリーの格好良い靴をたくさんラインナップしてくれているイメージです。
スニーカーで私が愛用しているのはムーンスターの810sキッチェ。
https://www.bymoonstar.jp/810s/product/kitche.php
完全ハンズフリーではないものの、甲の部分がゴムになっていて、スポッと履けます。
合皮なので、雨にも強い。お値段もNIKEほどではない。
子供と出かける時のスニーカーはこれですね。
・脱げにくさ(フィット感)
脱ぎ履きのしやすさと相反するのですが、「脱げない」というのも重要なポイント。
しっかりとかかとがフィットするか、ひもなどでしっかりと結んだり、ベルクロ(マジックテープ)などで留めた時にしっかりと靴が付いてくるか
これがないと足の指で靴を捉えるのが難しく、アキレス腱が固いので脱げてしまいます。
ただ単純にサイズアップ、サイズダウンでなんとかする、というのがとても難しいポイントです。
・痛くないか
履いた時、歩いた時に「点」で当たるような痛むポイントはないか、は注意しています。
こういった場合、履き馴染んできたとしても違和感が無くなることは少ないです。
・インソールは取り外し可能か、しっかりとしているか
インソール、とても大事になります。取り外しができれば入れ替えが可能なので、例えば整形外科などでオーダーインソールを作った場合でも対応しやすい。
また、きっちりと土踏まずのサポートがあるか、適度な硬さはあるかもチェックしているポイント。
フラットなものや柔らかすぎるものは、初めは良いですが、歩くと疲れることが多いです。
今の私の行き着いたところ
色々な悩みや選ぶ時に気を付けているポイントはありますが、私が思う現時点のゴールはここになりました。
Kenji Hashimoto Orthopedic Shoe Maker
やはり、自分の足に合わせて木型(靴の形を決めるベース)を作るということが、どれだけ効果があるのかを実感しました。
価格としては、スニーカーならお高いNBでも5足は買えてしまうほどのもの。
ですが、格好良さと履き心地を両立できるなら安いものだ、と思います。
革靴なのに、足を休めているような、リカバリーシューズのような感覚がある靴というのは私にとっては神のような存在です。
もちろん、その人の症状だったり、目指す装いによってここまでのものを仕立てる必要はないかもしれません。
ですが、私のように欲張りな人で、スーツスタイルも極めたい、でも歩きやすい革靴が欲しい!
という方はこういった選択肢もあるよ、ということを伝えたいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、脳性麻痺の方に向けての記事を書いてみました。
書くかどうか迷ったこともありましたが、やはり私だからこそ書けるものを書いておきたい、という気持ちがありました。
障害の有無に関わらず、足のトラブルを抱えている方に、こういった靴選びのポイントがあるよ、というのが少しでも参考になれば幸いです。
ぜひお気に入りの一足を見つけて、楽しくお洒落をしましょう。
以上です。ありがとうございました。