今回は、革靴のリペアについて考えていきたいと思います。
過去にAtelier BERUNの竹内さんのYouTubeで、全身コーディネートについて、この価格帯以上のものを目安に選ぶと良い、という内容の動画がありました。
その動画の中では、革靴は3万円を基準としていました。
3万円以下のものは履き潰すもの、として区分されていました。
私もこの意見には概ね同感です。
では、3万円以下のものは、お直ししながら使ってはいけないのでしょうか。
そういった靴をリペアすることについて、私の考えを紹介します。
なぜ、3万円がボーダーラインなのか
グッドイヤーウェルト(グッドイヤーウェルテッド)が多くなる
動画内で3万円、という具体的な数字が示されたのは理由があると思います。
あくまで推測ですが、この金額を超えると、「グッドイヤーウェルト製法」という底付けの革靴が多くなってきます。
この製法は、オールソール、靴底を付け替えるお直しができることを良く売りにしています。
また、本格靴とよばれる高価格帯のものは、この製法のものがメインになることがほとんどです。
竹内さんは、質実剛健なスタイルを提唱されている方なので、そういった点から、3万円という金額を示されたのだと思います。
革質
もうひとつは靴に使われている革について。
3万円以下のものは、合皮(合成皮革)のものが多くなります。エコレザー、なんて言われたりしますが、原料はプラスチックです。
合皮はエイジング(経年変化)することはありません。古くなるとポロポロと剥がれてきます、
また、本革であったとしても、革質はあまり良くありません。キメの細かさであったり、シワの入り方であったり、見た目の点で「格好いい」エイジングをするものはかなり限られると思います。
そういった素材のクオリティの面からも、3万円というボーダーラインを示されたと思います。
3万円以下の革靴はリペアしてはいけないのか
個人的にはあまりおすすめできない
それでは、そういった安価な靴はリペアすべきでないのか、という点については、私個人としてはあまりおすすめできません。
その理由はいくつかあります
・リペアをしても長く履き続けられない場合が多い
代表的なリペアとしては、靴底の貼り替えだと思います。いちばん減る部分ですので。
お直しにはいくつか方法がありますが、
ハーフラバーを貼る

オールソール(貼り替え)

などが一般的だと思います。
ハーフラバーはどんな靴でも対応できますが、オールソールは前述のグッドイヤー製法の靴が一般的です。
仮に3万円以下の靴をこのようにリペアをするとしましょう。
また履き続けることができるぞ!と喜んだのも束の間、今度は別のところが剥がれてきてしまった…
ということがあります。
やはり価格というのは革だけでなく、造りの部分にも影響します。
安価なものは、色々なところでガタがきやすいもの。もう直しようがない、という確率も高くなってしまいます。
・リペアの方が高くつく
リペアはものによっては数万円かかります。
オールソールなどは2〜3万円は必要です。
一回するだけで、元々の靴が買えてしまうほどです。
そこまでして直したいか、と言われると、なかなか首を縦に振る人は少ないのではないでしょうか。
新しいものを買った方がいいや、となりませんか。
私自身、よっぽど愛着がないと難しいなと思います。
・経年変化に限界がある
もうひとつ、大きな理由としては経年変化が挙げられます。
新品で3万円以下の革靴で使われている革は、それほど上質なものではありません。
そのため、メンテナンスしながら履いていた場合であっても、これは格好いいな、というふうに変化していくものは少ないと思います。
そのため、せっかくリペアしながら履いていたとしても、周りの人から見て「ものを大事にしているんだな」よりも、「なんだかみすぼらしい」とマイナスの評価につながる可能性があります。
「長く使うに値するものか」という点をクリアできるかどうかが難しい、というのも、おすすめできない理由のひとつです。
革靴を選ぶときの注意点
セメンテッド製法が悪いわけではない
ここでひとつポイントですが、グッドイヤー製法の靴が3万円以下だと少ない
ということを挙げましたが、私自身グッドイヤーがマストだと思っていません。
安価な方法である「セメンテッド製法」でもリペアは可能です。
現に私がビスポークしているKenji Hashimotoさんの革靴はセメンテッド製法でお願いしています。

Kenji Hashimoto
もちろん限度はありますが、底の貼り替えも可能です。
なので、あくまで靴本来の耐久性であるとか、革質であるとか、そういった理由でおすすめできない
ということはお伝えしたいです。
3万円以下できっちりした造りのブランドもある
・RAYMAR

https://raymar-japan.myshopify.com
・SCOTCH GRAIN

https://www.scotchgrain-shop.com
レイマーやスコッチグレインといった国産のブランドの中には、3万円以下で「グッドイヤー製法」の靴が手に入る場合があります。
もちろんこれ以上のお値段のものもありますが、こういった質実剛健なブランドを選べば、長く使うこともできると思います。



現に私の所有する、スコッチグレインのアウトレットで購入した靴は10年目を迎えていますが、まだまだ元気です。
これからも履き続けると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、革靴のリペアについて、靴の金額によって、するべきかどうかが変わるのか、ということについて書いてきました。
モノを大切に使う気持ちはもちろん、そのモノ自体の持っているポテンシャルというのが大事になると思います。
そこのボーダーラインは確かに存在すると感じています。
もちろんモノの値段に関係なく、思い入れのある品であれば、お金をかけてお直しして使い続ける価値は十分にあると思っています。
皆さんもお気に入りのアイテムがあれば、リペアをしながら長く履いていきましょう。
以上です。ありがとうございます。